エステサロン(ビューティーサロン)のホームページはお洒落なものが多いです。
高級な印象を与えるべくどこもデザインが凝っています。
しかし、それが時に逆効果となってしまうことがあります。
せっかくサイトを訪れた潜在顧客の離脱や、安っぽい印象を植え付けることに繋がるケースがあるのです。
ローディングアニメーションは逆効果
逆効果となりかねないデザインの一つはローディングアニメーションです。
ホームページを開くまでの間に砂時計が落ちたり、オリジナルキャラクターが走っているのを見たことがあると思いますが、アレのことです。
このようなローディングアニメーションを表示する理由は、重たいページが開くまでの時間を退屈させないことや、エラーで表示されないわけでないと知らせることです。
しかし、これは逆効果となることが多いです。
なぜなら、閲覧者は開くのが遅いサイトほどローディングアニメーションが表示されることを経験で知っているからです。
つまり、表示されただけで「このサイトは時間がかかる」と思い離脱してしまうのです。
同じ時間を待たされるにしても何も表示されないほうが待ってくれる可能性は高いと思います。
ローディングアニメーションを見せるのは閲覧者の脳に何らかの処理をさせているということです。
実は人間の脳は処理する事柄が多いときのほうが時間が遅く感じるという研究もあるのです。
話がだいぶ逸れますが、好きな人といるのに時間が遅く過ぎるように感じることがあるのも脳が様々な処理をしているからとされています。
ページが遷移する際に何もアニメーションを表示させなければ、脳が処理することは少ないですから遅く感じにくいかもしれません。
☑︎デジタル上の顧客接点においても「人間味」が大事。ロイヤリティを高める方法とは
表示速度が3秒遅れるだけで閲覧者の4~5割が離脱
そもそも、ローディングアニメーションを表示させなければならないほど重たいホームページであることが問題ともいえます。
表示速度が3秒遅れるだけで閲覧者の4~5割が離脱してしまうという調査結果もあるのです
Amazonの分析によるとゼロコンマ何秒遅れるだけでも売上が1割前後変わってしまうことも分かっています。
特に昨今はネットの通信速度も向上したうえに、多くのサイトが高速化されており、消費者は速い表示に慣れていますから、数秒でも非常に遅く感じてしまうのです。
エステサロンは重たくないサイトであっても、デザイン性のためにアニメーションや動きをつけることがあります。
しかし、それらの施策もここまで説明した理由によりあまりオススメしません。離脱されてしまうのです。
また動きが多いサイトは目がチカチカして鬱陶しいと感じる人もいます。
お洒落のためにサイトを重くしてしまうと、得られるメリットよりも、失われる潜在顧客のほうが多いといえます。
動きがなくとも配色や配置によって高級感のあるデザインにすることは可能なのです。
表示速度が遅いと広告費が無駄になる
ホットペッパービューティーでしか集客する予定がないのであれば、どんなに重たいホームページにしても良いでしょう。
継続的に通っている顧客が予約のためだけに訪れるのであれば離脱の心配はありません。
しかし、GoogleやYahoo!での検索やネット広告でも集客したいと考えているなら、余計なアニメーションは控えましょう。
どこのエステサロンに行こうか検討している潜在顧客は複数の店のホームページを流し見します。
このとき求めている情報はサービス内容と料金です。その情報に一刻も早くたどり着きたいと思っているのです。
開くまでに時間が掛かっていたら、他のエステサロンのホームページに行かれてしまうでしょう。
さらにネット広告はクリックされた時点で料金が発生します。
たとえ中身を見てもらえなくともアニメーションが始まった時点でお金が掛かるのです。
そこで離脱されてしまったらお金を捨てているのと同じです。
写真の画質が悪いと安っぽく見えてしまう
エステサロンのホームページのデザインにおいてもう一つ気を付けるべきことがあります。
それは掲載する画像の画質です。
粗っぽくザラついた画像があるとそれだけで全体が安っぽく見えてしまいます。
画質の低下を最小限に抑えたうえでファイルサイズを圧縮するなどの処理が必要です。
またスマホの小さな画面で見ると綺麗に見えても、パソコンの大画面で見ると汚いこともあります。
特にトップページに掲載するような大きな店内画像などでこういったことが起こりがちです。
スマホ版とパソコン版で異なる画像を出すなどの対応が有効となります。(※1)
またメニューボタンの文字を画像にする場合にも滲んで見えてしまうことがありますから気をつけましょう。
エステサロンのホームページを見ていると全体のデザインは高級感があるのに掲載された写真が低画質であるために、ちぐはぐな印象になってしまっているサイトが多いことが分かります。
画像に対する必要な処理がなされていないのです。
エステサロンのようにイメージが大切な業態においては画像の質はとても重要です。
質の低い大きな画像を載せるくらいであれば、文字と配色、そして小さめの写真だけで高級感を演出したほうが良いです。
そのほうがサイトも軽くなりますから表示速度も上がります。
エステサロンという業態はサイトデザインによって機会損失が発生しやすいですから細部まで注意を払いましょう。
※1 とはいえエステサロンのようなBtoCビジネスにおいては顧客の大半はスマホからやってきますから、PCサイトの対応は後回しでもかまいません。
参考文献:Joana Arantes, Margarida Pinho, et al. (2021). “Time Slows Down Whenever You Are Around” for Women but Not for Men.