新サービスや新商品、オウンドメディアの名前を決めるときは、発音しやすく覚えやすいものにしたほうが良いです。
消費者の脳の処理が楽になるため、好感度が高まり、記憶にも定着しやすくなるからです。
それにより市場での認知が早まり売上も期待できます。
そこで今回はネーミングと心理学について解説したいと思います。
日常的に使用するサービスはシンプルな名前にする
新サービスをリリースするとき、名前にこだわりがちです。
オシャレなものや変わったもの、想いを込めたものにしたくなることもあります。
長く付き合う名前なので自分自身が気に入ったものにしたいと思うのは当然です。
しかし、ビジネスの視点で考えるのなら、「発音のしやすさ」と「覚えやすさ」を考慮する必要があります。
特にそのサービスや商品が日常的に使用するものであれば、複雑な名称は避けたほうが良いでしょう。
日常的に使用するものとは、食品や家電のほか、ウェブサービス、アプリといったインターネットサービスも含みます。
こういったサービスや商品の名称はシンプルにしたほうが、市場への浸透も早く廃れにくいことが複数の消費者研究から分かっているのです。
脳は認知処理が楽なものを好きになる
なぜ発音しやすく覚えやすい名前のほうが消費者にウケが良いのでしょうか?
それは人間の脳の仕組みが関係しています。
脳は「なるべくエネルギーを消費したくない」という性質を持っています。
そのため認知の処理が楽な方へと流れやすいのです。多くの人が怠けがちなのもこのためです。
そして処理が楽なものを好きになるのです。楽ができると分かっているからです。
サービス名の認知においても同じことがいえます。
発音しやすく覚えやすいものは簡単に認知できるので好きになります。
さらに人間の脳は理解しやすいものを信頼する習性を持っています。
サプリやダイエット法など効果を訴求しなければならないものを扱うときは信頼されるかどうかが非常に重要です。
「フィオロジカル・ルース・ウェイト・ダイエット」よりも「生理学ダイエット」の方が信頼されるのです。
どうしても難しい言葉を使う必要があるときは説明文の中で使いましょう。
「私たちが提供する生理学ダイエットはフィオロジカル・ルース・ウェイト法に基づく新しいタイプの痩身法です」とすれば良いのです。
こうすることで親近感と専門性を同時に訴求することができます。
「インテル、入ってる」は英語でも「intel inside」
信頼という面では聞き取りやすさも重要です。(たいてい発音しやすければ聞き取りやすいですが…)
これも脳の処理が楽になるからです。
GAFA(Google、Amazon、Facebook、Apple)もすべて聞き取りやすい名前です。
日本のベンチャーでも急成長したメルカリは非常に耳に馴染む音です。
聞き取りやすさはサービス名だけではいけません。
キャッチコピーや宣伝文との相性も考慮しましょう。
「インテル、入ってる」のように韻を踏むと心地よさだけでなく、その内容も信頼されやすくなります。
ちなみに英語でも「intel inside」と広告しています。リズム感の良さが好印象につながることは世界共通なのです。
※今回の説明はあくまで日常的に使用されるサービス名や商品名についてのことです。新奇性や非日常を求める顧客に提供するサービスに関してはこの限りではありません。耳慣れない言葉が興味を惹くこともあります。