文章を自動生成してくれるAI(人工知能)のChatGPTでブログを作成してから約2ヶ月が経過しました。
顧客企業のWeb集客のために自分がそこのウェブサイトを運営することもあるので、自動化できたら効率的と考え試してみたのです。
ブログ記事を自動生成するAIは数多くありますが、それらと比べてChatGPTが生成する文章はレベルが数段上です。
これから業務にChatGPTを取り入れようと考えている社長も多いと思いますので、参考のためにその記録を書いておきます。
ちなみに使用したバージョンは無料のGPT-3.5ではなく、月額20ドルのGPT-4です。改良されたバージョンのため、こちらの方が生成される文章の精度が高いです。
ChatGPTはどのレベルの文章が書けるのか?
簡単に説明しておくと、ChatGPTは質問すると回答してくれる人工知能チャットボットです。
「イーロン・マスクの誕生日は?」と質問すると「イーロン・マスクの誕生日は1971年6月28日です。」と答えてくれます。
そして「〇〇についてブログを書いて」と命令すれば記事も書いてくれます。
「ITベンチャーの経営で大切なことについてブログを書いて」と命令すると
試しに「ITベンチャーの経営で大切なことについてブログを書いて」と命令すると以下のような文章を書いてくれました。
抽象的で中身がない
上記の文章に私は一切の手を加えていません。そのまま転載しただけです。
読んでもらえば分かりますが日本語としてはそれほどおかしくはありません。というよりも、文章を書くことの少ない現代人はこれよりまともな文章を書ける人のほうが少ないと思います。
しかし、内容は非常にありきたりで抽象的です。
命令内容が抽象的だから仕方ないのですが、より具体的な命令にしてもありきたりなことしか書いてはくれません。現状のAIの限界だと思います。
しかし、Google検索して上位に出てくる(人間が書いた)ブログもそのほとんどは抽象的でありきたりなので問題はありません。
というよりChatGPTを始めとした文書を生成するAIはそれらを学習して出力しているのですから、抽象的になるのは当然です。
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ブログ投稿するための命令と加工
さすがにChatGPTが出力した記事をそのままブログに投稿するのはどうかと思い、多少の手直しはしました。
先程も説明した通り、生成された文章により具体性を持たせるために命令内容は創意工夫しました。(具体的なプロンプト(=命令内容)は仕事で使用する可能性もあるのでまだ公開はしませんが10行以上のものになりました)
HTMLでいうところのh2やh3の見出しも付けるようにし、2,000~3,000字を書かせました。きちんと命令すればその程度の作業は難なくこなしてくれます。(3,000字を超えると似た内容を書いてしまうため文字数はこれくらいがちょうど良いと思います)
そして出力された文章でおかしな言い回しや繰り返しを修正しました。
上記のサンプルでいえば「スケーラブル(scalable)」のように馴染みのない言葉を「拡張性がある」といった自然な言葉に置き換えたりしたのです。
また語尾が「~な可能性があります」のような言い回しを何度も繰り返すのでそこも手作業で修正しました。
(ちなみにプロンプトに「語尾にバラエティを持たせなさい」と入れればその通りにしてくれますが、そうすると今度は不自然な言い回しが増えるというジレンマがあります)
完成した記事は人間が書いたと思えるものになりました。少なくともSEO対策に特化したブロガーが書いてるレベルの内容にはなりました。
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1日に10記事ずつ人間関係と恋愛についてのブログ記事を投稿
GPT-4は「3時間で25回しか命令できない」という制限があるため、1日に作成できる記事の数には限りがあります。
今回は空き時間を見つけて1日に5~10記事くらいずつ投稿しました。
ちなみに内容は人間関係とか恋愛に関するものです。
なぜこの内容にしたかというと、抽象的な内容でも読者が納得してしまうからです。(悩みを抱えた人間はそれを解決したいのではなく、解決のために何かしているという実感が欲しいだけなので中身のないブログ記事でも人気になります)
またこのジャンルはAIが学習しやすいネタが大量にネット上に存在しているという予測もありました。
行ったSEO(検索エンジン最適化)対策
すぐに結果が出るものではありませんが一応のSEO(検索エンジン最適化)対策は行いました。
まず中古ドメインを使いました。ちなみに私はいくつもの中古ドメインを使用しているのでこの見極めは失敗していないと思います。(中古ドメインの効果も最近は落ちてきていますが検索結果に早い段階で出せるメリットはまだあります。追記:2024年になくなった気がします)
また、元から所有しているサテライトサイトから数本のリンクを張りました。内部リンクもしっかりと設計しました。
タイトルのキーワードは2語以上の組み合わせや、文章で月間の検索数が100から3,000までのものを幅広く選定しました。もちろん競合しない狙い目のキーワードのみです。
他は企業秘密ですが効果があるとされるSEO対策をいくつか行いました。
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1ヶ月で300記事投稿した結果
ほぼ毎日投稿をして1ヶ月で300記事ほどが投稿できました。
その結果が以下の通りです。
合計11クリック・・・。
表示回数166回は自分でサイト名検索やインデックス確認などもしていたため、そのカウントも含まれており、実際のユーザー検索で結果に表示された回数はもっと少ないです。
クエリもたったの5個しか表示されていません。
ちなみに8割以上のページがGoogleにきちんとインデックスされています。
しかし、様々なキーワードで検索してもほとんどのページがGoogleの検索結果に出て来ません。出たとしても100位以降です。
AIで自動生成したブログは検索で不利なのか?
ちなみに同時期に同じようなSEO対策を行い手書きで作った他のブログは1日のクリック数が100を超えています。
ですから、検索結果に出ない原因があるとすれば、AIによる自動生成記事ということだと思います。
Googleのスパムポリシーに違反した?
しかし、Googleのカイドラインを読むとAI生成のコンテンツだからといって検索結果を下げるということはしないと書かれています。
当然と言えば当然でしょう。ユーザーの役に立つかどうかが重要であって、人間が作ったか、AIが作ったかは関係ないのですから。
しかし、「検索ランキングの操作を主な目的としてコンテンツ生成に使用すると、スパムに関するポリシーへの違反」とみなすとも書かれています。
きっとこれに抵触したのでしょう。
ここ数ヶ月のいくつかのサイトを作りましたが、トレンドワードに引っ掛かったものなどは、それなりにアクセスされています。そのため、スパムポリシーに違反している以外の理由がなかなか思いつきません。
ちなみにサーチコンソールに通知は来ていません。シャドウバン的なものが存在しているのなら、それではないかと思います。
文章の構成が同じなのが問題か?
今回AIで生成した記事は人間が読む限りは、AIが書いたのか人間が書いたのか判断できないものといえます。
自然な表現に変えましたし、言い回しにも多様性を持たせました。しかし検索エンジンはきちんと判断したのだと思います。
心当たりとしては文章の構成が同じな点です。各記事は構成が違いますが、同じ記事中のそれぞれの段落は構成が全く同じになってしまうことが多いです。
例えば
- 〇〇が大事です。
- 〇〇とはこういうものです。
- 〇〇することでこんな効果があります。
- 〇〇しないとこんなデメリットがあります。
といった構成を一つの文章の中で何度も繰り返してしまうのです。
〇〇の部分と文末が異なっていれば人間の目には同じに見えませんが、検索エンジンのアルゴリズムは同じと判断するのかもしれません。
ここを判定基準にしているとしたらAIかどうかは簡単に見破れるのだと思います。
とはいえ、人間が書いたブログでもテンプレートを繰り返した内容の記事が上位表示されていることもありますので、この限りではないのかもしれませんが。
☑︎ブログは「である調」より「です・ます調」で書いた方が良い理由
AI(人工知能)による文章生成には可能性を感じる
今回、ChatGPTを使って300記事以上のブログを作って失敗に終わってしまいましたが、AIのポテンシャルは感じました。
少なくとも「いかがでしたか」系ブログと同等かそれ以上のものは自動で作れるということが分かりました。問題は検索エンジンのアルゴリズムも賢くなっているということです。
今後はChatGPTもさらにバージョンが改良され、「偏った意見で良いので具体的なブログを書いて」という命令にもしっかりとした記事を書いてくれるようになると思います。
おそらく1年も掛からない話だと思いますが。というより既ににその技術はあっても一般公開していないだけなのだと思います。
これからネットでの集客方法が大きく変わるのは間違いないでしょう。それに対応できない企業から淘汰されると思います。
ちなみに諦めの悪い私は今回つくったブログにまだ定期的にAI生成の記事を入れていますので、数ヶ月したらまた結果を報告したいと思います。アルゴリズムの変更で急に跳ねることもあるはずです。