飛び込み営業やテレアポをするということは活動時間の9割を他人に迷惑を掛けることに使うということです。
もっと分かりやすくいえば人に迷惑を掛けるために生きているということです。
あなたは自分の経営している会社の社員に飛び込み営業やテレアポをさせていないでしょうか?
もしそんな時代遅れなことをしていてこれからも変えるつもりがないなら廃業したほうが良いです。
あなたの会社は存在価値がないなどという次元ではなく日本の生産性を落とす害悪でしかありません。
飛び込み営業が日本の生産性を落としている
例えばここに60分かかる仕事があるとします。
その仕事を順調に進めて30分経過したところで飛び込み営業がやってきました。
それを断るのに1分が掛かったとします。「要らない」と言う以外にも席を離れて戻るという動きがあるのでそれくらいは掛かります。
再び仕事に取り掛かったとしてこの仕事はあと30分で終わるでしょうか?
終わるわけありません。
どこまで進めていたか確認する時間が発生しますし、せっかく高まっていた集中力が切れているので処理スピードも落ちます。一度途切れた集中力が戻るまでには20分から30分掛かるという研究結果もあります。
日曜日の仕事が早く終わるワケ
経営者や管理職なら経験したことがあると思いますが、社員が出社して来ない日曜日なら3時間で終わる仕事でも、社員から話しかけられたり取引先から連絡がある平日にやるとその倍以上の時間が掛かることがあります。
だからといって社員や取引先とのやり取りが3時間も発生していたわけではありません。すべての時間を合計してもせいぜい30分くらいでしょう。それでも仕事に掛かる時間は倍以上になるのです。
それくらい仕事の途中で中断が入るということは生産性を落とすということです。これを理解している会社の中には意図的に電話に出ない時間を作ったり同僚に話しかけてはいけない集中タイムを設けているところもあります。
社会全体がどれだけ生産性を落としているか
同僚や取引先からの問い合わせはある程度の予測ができますから対策を立てて業務を組み立てることが可能です。
しかし飛び込み営業やテレアポというのは何の前触れもなく突然やってくるため、とんでもなく生産性を落とすのです。
企業経営者なら飛び込み営業をしている会社のせいで社会全体がどれだけ生産性を落としているのかということに想像を膨らませるべきです。
というよりその程度の想像力もないから飛び込み営業やテレアポのような時代遅れなことをしなければ経営できないのです。
社員に「人に迷惑を掛けるために生きろ」と言っているのと同じ
飛び込み営業やテレアポをしなければ売れないようなものは大した商品ではないのでほとんど断られます。8~9割は断られるでしょう。断る側からしたら余計な時間と労力を使わされて迷惑です。
これは営業をしている側から見ると社会に参加している時間の9割を人に迷惑を掛けることに使っているということです。
もはや人に迷惑を掛けるために生きていると言っても良いです。飛び込み営業やテレアポが精神を病みやすいのは断られるたびに自分が迷惑を掛けていることを認識させられ自尊心が下がっていくからです。
あなたは自社の社員にそのような生き方をさせているのです。
社員にも家族がいます。あなたの会社の社員は自分のやっていることを親や配偶者、子供に誇れるのでしょうか?
飛び込み営業やテレアポはなぜ非効率で時代遅れなのか?
飛び込み営業やテレアポが非効率で時代遅れな方法ということに気づけていない経営者もいるのでそのことについて簡単に説明しておきましょう。
現在はたとえ個人であっても簡単に情報を拡散できる時代です。インターネットを上手に使えば無料で宣伝することもできます。
つまり価値のある商品やサービスを提供していれば、それを消費者に知らせるのは簡単なので売れるということです。これは個人客相手の商売に限りません。企業向けのサービスであっても同じです。
実際に私は経営コンサルティングの仕事を営業することなく受注しています。むしろ今は断っているくらいです。
つまり人間に営業させるよりもウェブサイトなどを活用すれば広く商品やサービスを広められる上にコストも抑えられるということです。
またインターネットを始めとしたテクノロジーの良いところとして人間と違い文句を言わないことがあります。さらに働かせ放題です。
営業社員はコストが高い
もちろん業種によってはウェブサイトやSNSなど無料のものだけでは目標とする売上高に到達できない会社もあります。そういう会社はインターネット広告を活用すれば良いのです。
知っていると思いますが社員1人あたりの人件費は給料の1.5倍前後です。年収500万円の営業社員を雇うと750万円のコストが発生します。この750万円をインターネット広告に使えば人間に営業させるよりも売れるのです。
それどころか出稿方法を工夫すればその半分の予算でも営業社員を使うよりも多くの受注が可能です。
明確なデータは企業秘密なので公開できませんが新規の受注でインターネットの広告よりも売上を出せる営業社員はかなり少ないです。
全員のパフォーマンスを平均したらほとんどの業界でインターネット広告に軍配が上がります。
そもそもインターネット広告は表示されただけでは費用が発生しません。広告に興味を持った消費者が詳しい内容を見るためにクリックしたとき初めて費用が発生するのです。
つまり自社の商品やサービスに興味を持った見込み客だけに集中して予算を掛けられるということです。
もちろんお年寄りを騙して高額商品を売りつけるような会社であれば営業社員にやらせたほうが売れるでしょう。しかしまともな企業であればインターネット広告のほうが売上高、利益率ともに良くなるのです。
無能な経営者がする言い訳
飛び込み営業やテレアポがいかに時代遅れで害悪かということを説明しても納得しない経営者は多いです。
「ネットを見ない人にもアプローチしたい」などと言い出すのです。どれだけ頭が悪いのでしょうか?
価値のある商品ならキャパ以上の注文が入る
価値のある商品やサービスであればネットの集客だけでも、自社のキャパ以上の受注が来るのです。
中小企業なら口コミだけでキャパ超えのオファーが来ることもあります。
例えば会社の生産能力が100だとしたら、ネットを活用すれば200の注文が入ることもあります。
「ネットを見ない人にも…」などと言って飛び込み営業やテレアポをするのはこの200を210にすると言っているのと同じです。無意味なのです。
飛び込み営業やテレアポに予算を回すのではなく、供給量を増やすことに予算を回さなければならないのです。
美辞麗句でラッピングしてもゴミはゴミでしかない
ここまで説明すると今度は「自社の素晴らしい商品を幅広い層に届けたい」などとしょうもない言い訳を始める経営者もいます。もはや救いようがありません。
そんなに素晴らしい商品なら黙っていても勝手に広まっているでしょう。そして本気でそんなことを思ってるなら無料で配れば良いのです。
ゴミはどんな美辞麗句でラッピングしてもゴミでしかないということを理解できない人間は経営者に向いていません。
そんな経営者はゴミよりも価値がありません。なぜならゴミは他人に迷惑を掛けたりはしないからです。
会社のビジョンを「世の中に迷惑を掛けてでも金儲け」に変えろ
自社のウェブサイトやSNSなどを活用し必要であればインターネット広告を取り入れるということをすれば飛び込み営業やテレアポよりも効率的に売れます。
それでも売れないのは提供している商品やサービスに価値がないからです。その場合はそこから見直す必要があります。場合によっては会社を畳むことも考えたほうが良いでしょう。
それでも飛び込み営業やテレアポを続けさせたいという経営者はいます。
そういう営業で買ってしまうような賢くない消費者のほうが扱いやすいですし騙しやすいので仕方ないですが…
しかし、そんな経営の仕方で本当に自分は満足なのでしょうか?
どんな詐欺師でも自分に嘘をつくことはできないのです。自分の卑しさに苛まれないのでしょうか?
苛まれないとしたらそれはサイコパス傾向があるということです。(サイコパスは罪悪感を持ちにくい脳を持っている)
どうしても飛び込み営業やテレアポを続けたいのであれば会社のビジョンを「世の中に迷惑を掛けてでも金儲け」に変えて開き直ったほうがまだ誠実だと思います。