ハンドメイド(手作り)商品を高く売るコツ。楽しく制作したことをアピールせよ

個人でも企業でもハンドメイド(手作り)の商品を高く売りたいなら、それを楽しみながら作ったことをアピールしましょう。

それによって買手の購買意欲は高まり、さらには高価格を受け入れやすくなります。

これはハンドメイド商品に限らず、配管工事のように何らかの作業を提供する場合も同様です。

商品に付随する情報も価格判断に影響する

ネット社会においては商品そのものの価値だけではなく、それに付随する情報も消費者の価格判断に大きな影響を及ぼします。

買手はその商品がどのように生産されたかという情報も考慮して、高い安いを評価します。

手間が掛かっていることが分かれば高いことにも納得します。

また、エシカル消費という言葉もあるように、生産過程で児童労働をさせていないとか、環境破壊を行っていないといった、倫理面の情報も重視されます。

こういった考慮のなされた商品であれば高くても売りやすくなります。

とはいえ、自分達の商品には特段アピール出来るようなポイントがないということもあるでしょう。

そんな時は「楽しんで作っている」ということをアピールしましょう。

ハンドメイド商品は高く売ることに罪悪感を持ちやすい

個人的な趣味の延長でも、企業としてのビジネスでも、ハンドメイド(手作り)商品は、作ることそのものが楽しいというケースが多いです。

そのため、販売する際に「楽しめたことが報酬だから、あまり儲けてはいけない」という気になってしまうことがあります。

「こんなに楽しいことをして高い値段で売るなんて…」と罪悪感を持ってしまうこともあります。

しかし、これはあくまで売手側の感覚でしかありません。

買手側は「楽しく作ったのだから安くしてよ」などとは思わないのです。

それどころか高い値をつけてくれるのです。

☑︎値上げによる客離れを防止するために記載すべきこと!飲食店・小売店向け

手作りブラウニーも配管工事も「楽しみ」が高評価につながる

売手が生産過程を楽しんでいるかどうかが買手の購買意欲と価格判断に影響を与えることが、ティルブルフ大学のアンナ・ペイリー博士らの研究によって分かっています。

この研究では手作りのブラウニーを販売するときに、楽しんで作ったことをアピールした時のほうが普通に販売するよりも、買手の購買意欲を高めることが分かりました。

また、他の商品やサービスにおいても売手が楽しそうにしているほうが、買手に高い価格を支払う意思を喚起させることも分かっています。

さらに、Facebookに出稿する広告で作り手が楽しんでいることをアピールしたとき、クリック率が40%増加するという結果も得られました。

こういった効果はハンドメイド製品に限ったことではありません。

研究では配管工が楽しんで仕事をしていることが分かると、顧客はより高い金額を支払おうとすることも分かりました。これは努力していることをアピールするよりも効果的でした。

なぜ楽しさが高い値段につながるのか?

買手が楽しんで作られた商品や、楽しみながら提供されたサービスに高い金額を払おうとするのは、品質が高いと判断するからということが分かっています。

なぜこのような判断がなされるのでしょうか?

それは楽しんでいるということはその仕事が好きということだから、情熱を持って高いパフォーマンスを発揮しているだろうと想像するからです。

「好きこそ物の上手なれ」という諺がありますが、まさにそのように判断されるということです。

ちなみに英語でも同様の意味の「Nothing is hard to a willing mind」という言葉があります。

☑︎クラウドファンディングで資金調達して開発された商品は評価が高くなる

ハンドメイド作品に値下げを要求する顧客は避けましょう

今回の研究では、フリーランスの人に自分の仕事をどう値付けするかということも確認しています。

結果は、難易度に関係なく楽しんでする仕事は低い値段をつけてしまう傾向にありました。

買手と売手の間には価格に対するイメージのギャップが存在しているということです。

楽しんだ仕事に高値をつけられないという人はもっと自信を持ちましょう。

そして、広告やホームページ、店内ポップなどで楽しんで仕事をしていることをアピールしましょう。

YouTubeなどの動画で生産過程をアピールしても良いと思います。

楽しむことに引け目を感じないことです。

余談ですが、ハンドメイド作品に当然のように値下げを要求してくる顧客との付き合いは避けたほうが賢明です。

このようなタイプは作者へのリスペクトがありませんから、少しでも気に入らないと悪評を流しますし、理不尽なクレームをつけてくる可能性が非常に高いです。

☑︎お客様は神様ではない!客を選ぶのは権利ではなく常識

参考文献:Paley, A., Smith, R. W., Teeny, J. D., & Zane, D. M. (2024). Production Enjoyment Asymmetrically Impacts Buyers’ Willingness to Pay and Sellers’ Willingness to Charge.