問題を報告しない部下に報連相させるたった一つの言葉

部下から仕事のトラブルを報告されたときに「もっと早く報告してくれれば大事にならなかったのに」と思うことも少なくないと思います。

基本的に悪い内容ほど報告は遅れるものです。

だからといって部下を叱って矯正しようとするのは危険です。

「なんでもっと早く報告しないんだ」と責める前に自分の声掛けを変えたほうが良いと思います。

なぜ問題を報告しないのか?部下の心理

そもそも部下はなぜ問題を早く報告しないのでしょうか?

一番の理由は怒られるのが嫌だからです。

なので取りあえず「自分だけで解決できないだろうか」と考えます。そして余計なことをして事態を悪化させることが多いです。

どうしようもなくなってから今度はいつ報告しようか考えます。

「休日前の金曜日のほうが機嫌が良いだろうか?」「帰る寸前が良いだろうか?」などと考えます。

こうした余計なステップを踏むので上司のところに問題が伝わる頃には最悪の状態になっていることが多いです。

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「報連相」させるフレーズ

部下が問題を報告しないというのは別の見方をすれば、上司であるあなたが報告しにくい雰囲気を作ってしまっているということでもあります。

自分では意識していないかもしれませんが「ミスしたら怒るぞ」と、部下が委縮するような空気を出してしまっているのです。

部下はこのような空気を感じ取ると、問題の報告だけではなく、事前の相談や細かい連絡などを含むいわゆる「報連相」をしにくく感じてしまいます。

このような状態を脱するためにはまず自分から声の掛け方を変えれば良いのです。

「今、問題になっていることは?」

まず前提として「待っていれば部下から報告してくる」という期待は捨ててください。

仕事を任せたら自分から進捗を聞きましょう。それだけでも部下は問題を報告する機会を掴みやすくなります。

それでも問題が出て来なければ「今、問題になっていることは?」とサラッと当然のように聞くのです。

コツとしては問題は発生しているのが当たり前という空気感で聞くことです。

そうすれば部下は怒られるという心配をせずに言い難いことでも報告してくれます。

「問題が起こるのは当たり前なのだから、その部分に関してだけは一緒に解決するぞ」というスタンスで接してあげることが肝要です。

この言葉を繰り返していればやがて聞かなくても自分から報告するようになります。

原因を究明したいときに「なぜ?」と言ってはいけない

時にはどうしてそんな馬鹿なミスをしたんだ?と言いたくなるようなこともあります。

そして原因を究明したくもなります。

そのときに絶対に使ってはいけない言葉が「なぜ?」です。

「なぜ?」と言われた相手は自分を責められている気分になります。

中途半端にコーチングを学んだ人間は「なぜ?」を繰り返すことで気づきを与えられると考えるかもしれません。

しかし、単なる上司と部下の関係で「なぜ」と問いかけても反発心を生むだけです。

ミーティング中に皆で「なぜだろう?」と考えることは大切なことです。

しかし、個人を追求するときに「なぜ」という言葉を使ってはいけないのです。

「何かあった?」と聞く

では問題の原因を究明したいときにどのように聞けば良いかといえば「何かあった?」です。

「何かあった?」という質問は「君はこんな失敗をするような人間ではないから、家族のトラブルとか失恋とかそういった外的な要因があったんだろ?」という心理があるから出てくるものです。

つまり相手のことを優秀と認識している前提がなければ出ないフレーズなのです。そしてそのことは質問された側にも伝わります。

そのため、自分の間違いを素直に認める心理になりやすく正直に事実を話してくれるのです。

それだけではなく「何かあった?」と言われたことで「失敗したときでさえ、自分のことを期待して見てくれているのか」と意気に感じ、次回の仕事で挽回するぞという気持ちになりやすいのです。

原因を究明したいときは「なぜ?」ではなく「何かあった?」と聞きましょう。

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怒りっぽい中間管理職に部下を持たせるな

これまで説明したように部下が「怒られる」という不安を持ってしまうと問題を報告しにくくなります。

それだけではなく社員同士で責任を擦り付け合う社風が出来上がります。

するとチャレンジしなくなるので会社の成長が止まります。

それに人間は「怒られるかもしれない」と考えると余計な緊張を覚えるのでパフォーマンスが落ちます。

ですから怒りっぽい人間をマネジメント層に置くのはやめたほうが良いです。

癇癪持ちのまま大人になったような人間が管理職になっている会社も少なくないのですが、早急に部下を外さないと組織が腐ってしまいます。

部下はおだてて使ったほうが費用対効果が高い

経営者であるあなたが社員を怒りながらやってきたという場合、管理職にもそういうスタイルを求めているのかもしれませんが大事なことを見落としています。

あなたは自分で会社を興しているので社員はそれなりに尊敬していますし、怒られても納得するかもしれません。

しかし管理職の人間はそうではありません。人間は上司というだけでは尊敬しないのです。

怒りっぽい管理職に対して部下は委縮すると同時に心の中で「お前だってミスする癖に自分のことを客観視できない無能か!」と不満を持っていることがほとんどです。

ナンバー2である副社長のポジションにいる人間に対してさえ「運良く社長と組んだだけだろ」と思っている社員も少なくはないのです。

部下はおだてて使った方が費用対効果は高くなることを忘れないでください。