中小企業が優秀な人材を採用するのは非常に難しいです。
実際に中小企業よりも大企業にいる人間のほうがホワイトカラーとしての業務遂行能力は高いです。
なぜなら業務遂行能力はほぼ偏差値に比例するからです。大企業のほうが一流大学の出身者が多いです。
(余談ですが起業家としての能力は学歴と相関はありません。金の集めやすさにおいて東大卒だと少しだけ有利になるかもしれませんが)
中小企業の場合、確実に伸びるベンチャーや、他社にはない独自の絶対的な魅力でもいない限りは一流大企業に入れる立場の優秀な人材がわざわざ選んでくれることは少ないです。
これは新卒採用でも転職でも同じです。
それでも中小企業が優秀な人材を採用したいなら女性を選ぶと良いかもしれません。
このご時世に性別で分けて話すのもポリコレ棒でぶん殴られそうですが、上っ面の話は起業家向けではないので正直に書きます。
採用におけるバイアス
何度かクライアントの採用活動において面接官をしたことがあります。
といっても横で候補者の様子を観察しているのがメインで質問をすることはあまりないのですが…
このような面接を見ていて思うのは採用する側が性別に対し無意識のバイアスを持っているということです。
男性候補者には聞く質問を女性候補者にはしないということがあったりします。その逆はありません。
面接終了後に面接を担当した社員になぜ質問しなかったのか聞いても本人も意図していないので分からないのです。
なぜこのようなことが起こるかというと、自分で認識していなかったとしても最初から男性を採用したいと思っているからです。
無意識に「男性の方が使える」と思ってしまっているのです。こういったバイアスは年齢に関係なく若い人でも持ってしまっていることがあります。
しかしこの考えは間違っていますし、非常にもったいないことをしています。
少なくともホワイトカラーの仕事においては性別による能力の違いはありません。細かい部分を見ればどちらかの性別のほうが有利な業務があるというのはいくつかの研究で分かっていますが、総合的に見れば差はありません。
それどころか中小企業が採用できる可能性のある人材に絞れば、女性の方が優秀である可能性が高いです。
女性のほうが優秀な人材である可能性が高い理由
なぜ女性のほうが優秀な可能性が高いといえるのか?
答えは簡単です。
日本では採用時も昇進時も女性の方が不利だからです。
特に昇進において男性は実力通りのポジションに収まっているのに対し、女性は必ずしも実力通りのポジションにいるとは限りません。
これには企業側の差別だけでなく、女性自身が昇進することによる周囲との軋轢や僻みを想像して躊躇するケースも影響しています。
男性経営者は想像しにくいかもしれませんが、女性は「昇進することの恐怖」を持っている人間が少なくないのです。
つまり優秀な男性と女性がいた場合、男性はそれなりのポジションを得ているので、それを捨ててまで転職しようという気にはなりにくいですが、女性はそういった勿体なさを感じないので社外に出やすいということです。
そしてポジションのないまま一流企業を辞めた人間が別の一流企業に転職するのは意外に難しいです。そのため中小企業も転職先候補として考えるのです。
これが中小企業が採用できる可能性のある人材に絞れば女性の方が優秀な可能性が高い理由です。
男女雇用機会均等法ができて40年近く経ちますが、いまだにこのような歪みが生じているのが日本の労働市場なのです。
しかし市場の歪みはいつでも儲けのチャンスです。積極的に利用しましょう。
採用において「男性のほうが優秀」という無意識のバイアスを持っていないかもう一度考えたほうが良いかもしれません。
バイアスは経営者の直感を鈍らせる天敵でもあります。
☑ガラスの崖が存在する原因の研究。なぜ危機的状況で女性がトップに立たされるのか?
採用面接は女性にやらせろ
余談ですが採用面接に出て欲しいと依頼してくる社長に、候補者が嘘をついているかどうか判断してほしいと言われたことがあります。
確かに私は嘘を見抜くための研究をしているので、けっこうな確率で見抜くことができます。
しかし、ボディランゲージだけで嘘を見抜くようなことは不可能です。
特に面接のようなシチュエーションでは嘘をついたことによる反応なのか、緊張による反応なのか見分けがつかないのです。
もし見た目で嘘つきかどうか判断したければ女性に面接官をやらせると良いかもしれません。
西オーストラリア大学の実験によると、女性は男性の顔を3秒見れば浮気するタイプかどうかを高い確率で判断できることが分かっています。
判断基準はシンプルで「この人浮気しそう…」と思ったかどうかだけです。
残念ながら男性は女性の顔を見ても浮気するタイプかどうか見抜くことはできません。
浮気するから仕事でも嘘をつくとは限りませんが、アシュレイマディソンという不倫のためのマッチングアプリの顧客情報が流出したとき、テキサス大学のビジネススクールがその顧客データと犯罪データを照合した研究があります。
それによると不倫のマッチングアプリを使っている人間は仕事で不正をする確率が高いことが分かっています。
この方法では男性候補者しか見抜くことは出来ないのですが、私の経験上も人を見たときに「怪しい」と思う直感は女性の方が優れている気がします。
採用はくれぐれも慎重に行いましょう。